「ドライアイ」と「薄毛」、一見まったく関係がなさそうなこの2つの症状。実は東洋医学の視点で見てみると、どちらも「血(けつ)」の不足と深い関わりがあるといわれています。今回は、東洋医学が考える血の役割と、血を増やすことで髪の健康も改善できる可能性についてご紹介します。
血の不足が招く体の不調
東洋医学では、「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」が身体を巡り、健康を支えていると考えられています。この中で「血」は、全身の器官に栄養と潤いを与える重要な存在。血が不足すると目の乾きや肌のカサつき、髪のパサつきや抜け毛が起こりやすくなるとされています。
ドライアイも、血が目に十分な潤いを届けられていないサインの一つ。つまり、目と髪の両方が「血虚(けっきょ)」と呼ばれる状態の影響を受けている可能性があります。
なぜ血が不足するのか?
現代人の生活習慣は、血の不足を招きやすい要素が多くあります。過労や睡眠不足、偏った食生活、ストレスなどが続くと、血を作る力が低下し、体の隅々まで栄養が届かなくなります。
特に女性は月経によって血を消耗しやすく、貧血気味の方や冷え性の方は髪のボリュームが減ったり、爪や肌のトラブルが出やすい傾向があります。
東洋医学で血を増やすための方法
血を補うためには、食事と生活習慣の見直しが重要です。
例えば、レバーや赤身の肉、黒ごま、ほうれん草、なつめ、クコの実などは血を養う食材として知られています。鉄分やビタミンB群を多く含む食品を意識的に取り入れることが、血を補い髪に栄養を届けるために効果的です。
また、夜更かしは血の生成に悪影響を与えるとされるため、十分な睡眠も欠かせません。
頭皮と目の健康はつながっている
血の巡りが良くなると、髪の根元にある毛母細胞への栄養供給も改善されます。その結果、髪のハリやコシが戻り、抜け毛が減ることが期待できます。ドライアイが改善すると目の疲れが減り、自律神経のバランスも整いやすくなるため、髪や肌にも良い影響が及びます。
東洋医学では、髪は「血余(けつよ)」、つまり血の余りでできているといわれています。血の質と量が充実していれば、自然と髪も健康で美しく育つというわけです。
ストレスケアも大切
ストレスは血の巡りを滞らせる最大の原因の一つ。軽い運動や深呼吸、リラックスできる時間を持つことも血の流れを良くするために欠かせません。
鍼灸や頭皮マッサージも血行促進に効果があり、特に頭皮マッサージは髪の毛根への血流を増やすため、薄毛対策におすすめです。
血を増やす生活で髪も元気に
ドライアイに悩んでいる方は、髪や頭皮の状態も気にかけてみてください。目の乾きは、髪への栄養不足のサインかもしれません。血を増やす生活習慣を取り入れれば、目の潤いとともに髪のボリュームやツヤも取り戻せる可能性があります。
まとめ:
ドライアイと薄毛は無関係に思えて、東洋医学の視点では「血不足」という共通の原因で結びついています。食事・睡眠・ストレスケアを意識し、血を増やす生活習慣を続けることで、目も髪も元気になるかもしれません。今の体調や髪の状態に不安がある方は、まず自分の生活習慣を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。